22. 第23回 古楽コンクール〈山梨〉を聴いて

 4月末からのレコーディングが諸事情により出来なかったので、5月2日、3日に行われた古楽コンクールを、生徒の応援がてら、聴きに行ってきました。
 
 今年はチェンバロ部門とアンサンブル部門でした。チェンバロ部門は通奏低音もパルティメント課題もなく、ソロだけだったせいか、過去最多の32名(キャンセル5名)が出場しました。
 
 予選で弾く曲は(1) P.フィリップス:アマリッリ または H.パーセルの任意の組曲(6番を選んだ人が圧倒的に多かった)(2)J.S.バッハ:トッカータ ホ短調 BWV914 か ト長調 BWV916または ヘンデル:組曲 第1番か第2番 または W.F.バッハ:ソナタ 第1番 か 第6番 の2曲でした。
 
 楽器はイタリアン(野神俊哉作)、フランコフレミッシュ(デュコルネ作)、ジャーマン(ケネディ作)の3台が用意されていました。
 
 (1)はアマリッリを選んだ人が多かったのですが、初期バロック様式とは思えない演奏も少なくなかったです。パーセルでは、6番の3曲目のホーンパイプが3拍子の拍子感がなく、ただすっ飛ばして弾いている人がほとんどでした。
 
 (2)は技巧の差が歴然と出てしまいました。特にW.F.バッハのソナタ第6番の3楽章はとても難しいですが、技巧的にちゃんと弾けていたのは一人だけでした。J.S.バッハのトッカータはホ短調を選んだ人が多かったですが、4つの部分の違うキャラクターをうまく表すのが難しかったようです。ヘンデルは第1番はピアノチックに弾いても、それなりに曲になるなと思いました。それに対し、第2番は聴かせるのが難しいと思いました。
 
 コンクール半ばでフランコフレミッシュの音が狂いだし、あわてて調律したり、すぐ後にはジャーマンの爪が折れて付け替えたり、楽器のトラブルがあったのは演奏者にとってかわいそうでした。狂っている音があると「あっ、次に弾く音は狂っていて嫌な響きがしてしまう」と思って集中できなくなります。爪が折れるのは本当に事故ですが、これも音が鳴らないので、演奏者はあわてて上鍵盤で弾いていました。演奏会ではこういうとっさの判断をしなければならないケースもありますが、コンクールでは集中度が落ちるので、かわいそうだったと思います。
 
 27名、全て聴いたらさすがに疲れてしまい、アンサンブルは聴きませんでした。
 
 予選通過者は7名。「この人はいいものを持っているし、自分の表現したいことがわかる」と思えた演奏が少なく、私の印象としては、ミスタッチの少なかった人が残ったような気がします。
 
 本選は聴かず、昇仙峡に足を延ばしてきました。普段はレッスンが詰まっていて、数日間空けて旅行をすることが困難なのでなかなか出かけられませんが、新緑ときれいな水、山など自然に触れて、リフレッシュできました。
 
 コンクールを聴いて自分がチェンバロを始めた頃やコンクールを受けた頃のことを思い出し、初心に戻れたので、またレコーディングが出来ることを目指してやっていこうと思います。
 
 また、しばらくお休みしていたスペース”調”の演奏会も復活させたいと思っています。
 
追記:入賞者は2位が2名でした。

 

2009.05.07