57.「チェンバロの日! 2014」

5月5日、6日に世田谷の松本記念音楽迎賓館にて、日本チェンバロ協会主催の「チェンバロの日! 2014」が行われました。今回は「チェンバロと仲間たち」と題し、チェンバロの他にスピネット、クラヴィコード、フォルテピアノなど、合計9台の楽器が集められました。

 

コンサートは4人の奏者によって行われ、1回45分のプログラムを2回演奏しました。私は2日めにイタリアンとフレンチを使用したコンサートに出演しました。イタリアンとフレンチということで、イタリアンでは初期バロックの曲(フローベルガーのトッカータ&カンツォンとフレスコバルディの100のパルティータ)をミーントーン調律で、フレンチではルイ14世の時代の作品(F.クープランの第14オルドルから2曲とフォルクレの組曲第5番から3曲)をプログラミングしました。この組合わせは通常の演奏会でやると支離滅裂になってしまいますが、楽器にも焦点を当てたかったので、良かったかなと思っています。

 

前日に楽器を触る時間が持てたので、イタリアンに慣れることができました。ただ、フレンチとは音質があまりにも違うので、自分のタッチもすぐに変えるのは難しく、また、お客様も耳が慣れないだろうと思い、楽器を変える間にお話を入れることにしました。

 

1回めは時間のない中で照明を決めたり着替えをしたり、あまり心の準備ができない中で本番を迎えてしまったので不出来な部分もありましたが、2回めは1回めの反省をふまえて気持ち良く演奏できました。何よりもお客様の暖かい拍手が嬉しかったです。たくさんの方々にお越しいただき、ありがとうございました。

 

【追記】フォルクレの曲が最後だったので、アンコールにはマラン・マレの「人間の声」を私がクラヴサン用に編曲したものを弾きましたが、これがすごく好評でした。マラン・マレのヴィオル曲をクラヴサン用に編曲するというのは10数年前にそういう企画の演奏会のお話をいただき、約600曲もあるマレの曲からどれがクラヴサンで弾いても原曲を損ねないで編曲できるか見当もつかず、ガンバ奏者の平尾雅子さんのお宅にお邪魔し、平尾さんのご意見も伺い、私がやったことのない曲も候補に挙げ、譜面をいただき、等々して編曲したものです。これも通常の演奏会で演奏するのは難しいですが、年月が経って取り上げてお客様に喜んでいただけて嬉しかったです。

 

 

当日は写真が撮れなかったのですが、これはフレンチチェンバロです。

また、会場から徒歩10分ぐらいの旧小坂邸にも7台の楽器が展示され、ミニコンサートが行われました。残念ながら私は行けませんでしたが。

 

2日めの最後には、東京古典楽器センターの佐藤さんによる「メンテナンス講座」が行われました。爪の替え方や切り方、道具、弦の替え方等、今まで見よう見まねでやってきたことをきちんと聞ける機会はなかったので、質問もたくさん出て大変勉強になり、いい企画だったと思います。

 

********************

 

コンサートに先立って、日本チェンバロ協会の総会が行われました。すべての議案が滞りなく可決されましたが、その準備に携わった方々の仕事量は膨大だったと思います。私は会計を担当していますが、収支報告作成でちょうど一番大変な時に個人的な事情で関われなくなり、申し訳ないことになってしまいました。

 

「チェンバロの日!」も日本チェンバロ協会のメンバーで企画から当日の裏方まですべてのことをやっています。チェンバリスト同志が一緒に演奏するという機会はほぼないので(他の楽器ならコンソートやオーケストラなどがありますが)、今まであまりなかった縦の繋がりや横の繋がりも密になり、皆でチェンバロ界を盛り上げていこうという気持ちが大きく感じられます。私も微力ながらお役に立てることがあれば、と思っています。

 

                               2014.5.7